ドイツの鉄道に関するニュースを紹介・解説
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イギリスを本拠とする鉄道・バスの運営会社 Arriva は今年8月27日に Deutsche Bahn AG に買収されたが、EU の独占禁止法により、Arriva のドイツにおける事業会社(Arriva Deutschland GmbH)は第三者に譲渡する必要があった。今回、 Arriva Deutschland はイタリアの FS とフランスの投資ファンド Cube Infrastructure Fund によるコンソーシアムに売り渡されることになった。
Arriva 傘下のドイツの鉄道としては以下のような会社がある。
- Osthannoversche Eisenbahn
- metronom
- Prignitzer Eisenbahn
- Ostdeutsche Eisenbahn
- alex
- Regentalbahn
- Vogtlandbahn
- Berchtesgadener Land Bahn
Arriva Deutschland GmbH
DB Lidl-Ticket と呼ばれる切符が12月6日から12月12日までの期間限定で売り出される。ドイツのディスカウントストア Lidl との共同企画で、Lidl の店舗もしくはオンラインショップのみで取扱い、DB の駅や車内で販売しない。この切符1枚で2人一緒に片道行程を最短経路で旅行することが出来、1枚73ユーロ、約8000円。有効日は来年1月3日から3月31日のうちの1日で、金曜日は使用できない。また1人あたり5枚までしか販売しない。最低1回は ICE/EC/IC/railjet のいずれかに乗る必要があり、料金不要の列車のみの利用は出来ない。利用する経路は目的地までの最短経路のみだが、途中下車は可能。ドイツ国内の旅行、もしくはドイツとスイスの間の旅行、もしくはドイツとオーストリアとの旅行に利用できる。
多少の制限はあるが、利用方法しだいでは非常に安価で有効な切符と言えそうだ。
来る12月12日のDBダイヤ改正にあわせ、SSB(Stuttgarter Strassenbahn AG)でもダイヤ改正を行うが、この改正は、最後まで市電として残っていた15系統がU-Bahnとして全区間再開業を迎える節目の改正となる。併せて、市の南西部で開発が行われていた、EnBW City 方面への新線も開通、さらには北東部の Moenchfeld までの区間が4輌編成での運転に対応したホーム延伸を行うなど、大規模な改正となった。
以下に具体的な改正の内容についてまとめる。
1. EnBW City/Fasanenhof Schelmenwasen への延伸
市の南西部にあるニュータウンへの路線で、従来日中は Moehringen Bf で折り返していたU6系統が延伸される。日中は10分間隔で4輌編成での運転である。なお従来はラッシュ時にU6系統が Vaihingen まで延長運転されていたが、改正後は新設のU12系統が Vaihingen まで延長運転される。またU6は4輌編成のため、Vaihingen 延長運転時は併用軌道区間の Jura Str を通過していたが、U12は2輌編成で運転されるため、通過運転はなくなる。
2. U15系統北西部区間のU-Bahn転換工事終了
かつての市電15系統の北西部区間はU-Bahnへの転換工事のため、バス代行輸送を行っていたが、この改正より、U15系統として Stammheim - Ruhbank の運転を復活する。これにより1985年より順次進めてきた市電のU-Bahn化が、四半世紀を経て完成したことになる。
3. 北部でのU5系統とU7系統、経路入れ替え
U7系統は従来 Killesberg、U5系統は Moenchfeld 発着だったが、これを入れ替える。 新U7系統は4両編成で運行され、需要の大きいMoenchfeld方面の混雑緩和を図る。逆に Killesberg は付近にあった Messe (展示会場)が2007年に空港近くに移転し、需要が減ったため、輸送力削減となる。なお新U5系統は20分間隔となるが、新設のU12系統も20分間隔で運転され、Killesberg - Moehringen Bf は両者併せて10分間隔となる。これにより中心部から Moehringen までは日中も10分に2本の列車が利用できるようななる(従来はU5系統の半数が Degerloch Albstr. で折り返し)。
4. 西部でのU2系統とU4系統、経路入れ替え
需要の大きい Botnang 方面から Bat Cannstatt 方面への直通するため、U2系統とU4系統の経路が入れ替えられる。Botnang 方面から Wasenstr. へは U9 系統も利用可能なため、大きな利便性低下はない。
5. その他
週末の早朝時間帯の増発(始発列車繰上げ含む)などが行われた。
12月12日のダイヤ改正で、Berlin - Magdeburg に IRE が設定される。平日のみ1日2往復の設定で、同区間を従来の RE より15分速い85分で結ぶ。使用車輌は Doppelstockwagen (2階建て車輌)で、従来の RE に使われていた車輌と同じものと思われる。
従来の RE1 系統は Magdeburg Hbf から Berlin 市内までの間の10駅に停車し、Berlin 市内では西から東へ、Wannsee・Zoo・Hbf・Friedrichstr・Alexanderplatz・Ostbahnhof に停車し、ポーランドとの国境に近い Eisenhuettenstadt に向かっていた。
これに対し今回設定された IRE は Magdeburg Hbf から Berlin 市内まで無停車で走行し、市内を南から北へ、Suedkreutz・Potzdamerplatz・Hbf (tief)・Gesundbrunnen の順に停車する。経由線区には触れられていないが、Potzdam 西方の Golm から Aussenring に入り、Grossbeeren から Anhalter Bahn に入り、Berlin に向かうものと思われる。距離は RE の経路より長くなるが、線路容量はこちらのほうが余裕がある。
今回設定の列車と前後のREの時刻は以下の通り。
朝の Berlin 方面
Magdeburg Hbf | Berlin Hbf | |
RE18107 | 07:06 | 08:47 |
IRE4275 | 07:26 | 08:51 |
RE18109 | 08:06 | 09:47 |
午後の Berlin 方面
Magdeburg Hbf | Berlin Hbf | |
RE18123 | 15:06 | 16:47 |
IRE4277 | 15:24 | 16:51 |
RE18125 | 16:06 | 17:47 |
午後の Magdeburg 方面
Berlin Hbf | Magdeburg Hbf | |
RE18120 | 12:11 | 13:53 |
IRE4276 | 13:06 | 14:32 |
RE18122 | 13:11 | 14:53 |
夕方の Magdeburg 方面
Berlin Hbf | Magdeburg Hbf | |
RE18128 | 16:11 | 17:53 |
IRE4278 | 17:10 | 18:34 |
RE18130 | 17:11 | 18:53 |
やや既存のREと発着時刻が近接しすぎていて、待ち時間の短縮には寄与していないいないが、所要時間の短縮効果は大きく、特に Suedkruetz から乗降する場合は、30分以上の所要時間短縮となる。
なお Berlin - Magdeburg を経由するICがREと同じ経路で1日1往復運転されているが、所要時間は87分である。
ドイツの鉄道に関するニュースを、ドイツ語の勉強もかねて、自分なりに整理していきます。ニュースのソースはとりあえず、
DBのプレスリリース
http://www.deutschebahn.com/site/bahn/de/presse/presse.html
International Railway Journal
を考えていますが、ドイツには趣味誌も多数あるので、私の時間と語学力の許す範囲で多くのニュースを紹介したいと思います。なお文中に登場する写真は必ずしも記事の内容と直接関係あるものではないことをご了承ください。