ドイツの鉄道に関するニュースを紹介・解説
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2013年12月のダイヤ改正より、Bremen - Norddeich Mole のICに普通乗車券のみで乗車できることになった。この改正より以前書いたIC用ダブルデッカー客車がこの区間に運用されることになっており、余裕のある輸送力を短距離旅客輸送にも利用すると言うことのようだ。この区間のICは現在でもインターネットで安売りされていることが多く、普通運賃は28.50ユーロ、IC料金は3.20ユーロだが、料金込みの割引運賃は最低19.70ユーロで、普通運賃よりも安い状態となっている。このため、今後の割引運賃の設定価格によっては逆に値上げとなる可能性もある。
現在 Bremen から Oldenburg/Norddeich Mole 方面には2時間間隔でIC(1日1往復はICE)が運行されているが、途中の Oldenburg 止まりが多く、Norddeich Mole まで運行されるのは1日3往復のみである。これが改正後は Norddeich Mole まで2時間間隔となる。REと交互に2時間間隔で運行されることで、両者を併せて速達列車は1時間間隔となる。なおICとREは現状でも所要時間に差はないが、改正後はICがHudeにも停車するようになり、停車駅の差異は Marienhafe のみとなる。
またこの記事には特に言及されていないが、付属のPDFファイルには、ICの運行経路の南東端にはRichtung Leipzig/Dresden との記載があり、現在運行されている Berlin 方面への直通列車は廃止されるのかもしれない。ICに混じって運行されているICEも廃止となると考えてよいだろう。
Dresden - Leipzig - Hannover - Bremen - Oldenburg - Emden -Norddeich Mole にICが2時間間隔で運転されたとすると、所要運用編成数は12本程度である。ダブルデッカー客車は27編成が製造され、3つの系統に運用されることとなっているが、これ以外の運用がどうなるのか気になるところである。
オープンアクセスを利用して Hamburg - Koeln の列車を計画していたHKXが、ついに今年中に運行を開始する運びとなった。ICが1時間間隔で走る幹線筋での運行で、DBとどのように競争していくのか興味深い。Hamburg - Koeln にはICが約1時間間隔で運行されているが、Bremen と Dortmund を経由する、やや遠回りな経路で運行され、所要時間は4時間00分~4時間04分である。これに対し、HKXは最短経路で運行するが、車輌の性能上、最高速度は150km/h(DBのICは200km/h)で所要時間は4時間04分~4時間10分となる。Gelsenkirchen に停車するのが特徴だ。1日3往復の運行だが、Hamburg Altona での折り返し時間が15分程度しかないの気になる。定時性に問題は生じないのだろうか。
この区間にはかつてDBも Metropolitan や ICE Sprinter と言った、最短経路を走る(Bremen と Dortmund を無視する)列車を運行していたが、結局 Bremen や Dortmund を経由する IC に統一されつつあり、現在は IC の1往復が最短経路で運行されるに過ぎない(この列車の所要時間は約3時間30分)。同じ様に Bremen と Dortmund を無視したダイヤで、なおかつ従来のICと所要時間が同等の HKX がどこまで乗客を集められるのか、注目される。
DBでは数年前から既存の動力集中方式のICEおよびICを置き換える、ICxと呼ばれる動力分散方式の長距離列車用車輌の計画を明らかにしていたが、今回Siemensとの枠組み合意に至った。合計で最大300編成を調達する計画で、以下の3段階に分けて投入される。
1. 定員500人、最高速度230km/hの仕様で、2016年12月のダイヤ改正より定期運用を始める。130編成が投入され、既存の機関車牽引のICを置き換える。60億ユーロ程度の契約となる見込み。なおIC/ECに運用されているBR101型機関車は145輌が在籍している。
2.定員730人、最高速度250km/h仕様で、2020年代半ばまでに既存のICE1/2を置き換える。90編成投入。なお、既存のICE1は59編成、ICE2は44編成が在籍している。
3.80編成のオプション契約で、必要に応じて2030年までに契約される。
2010年夏に発生した酷暑による空調故障に鑑み、ICxは-25℃から45℃までの環境に対応した仕様とされている。1に関してはスイス・オーストリア・オランダに乗り入れ可能となるほか、2に関してはポーランド・チェコ・フランス・イタリアに乗り入れ可能となる模様。
まだまだ具体的な仕様は明らかになっていないが、DBの長距離列車の将来を担うだけあって、動向が注目される。